玉羊羹 (玉嶋屋)
戦中の機能性追求から生まれたアイディア銘菓
福島県二本松市の『玉嶋屋』さんが作る『玉羊羹』見たことのある人も多いと思いますが、このゴム袋に入った可愛らしい水風船のような羊羹が生まれたのは1937年の日中戦争が始まった年だったようです。当時『玉嶋屋』さんは軍と県に依頼され「いつでもやわらかい羊羹を戦地の方に食べてもらえるように」と羊羹をゴムの小袋に包んで一口サイズのパッケージにすることを思い付いたのだとか。
開発当初は「日の丸羊羹」という名前でしたが、戦後再開業のときに軍国主義のイメージを払拭し、その形状と店名にちなんで『玉羊羹』として改めて販売されたとのことです。
それにしても秀逸なお菓子だなぁと実感してしまうのが、開封時のギミック有りの包装に一口サイズの甘味という、お菓子として大事な”楽しさ”と”美味しさ”の要素を両立させているところですね。開封の様子をちょっと動画に撮ってみました。
こんな感じで、プチッと爪楊枝で刺して開ける楽しさがあります。”プッチンプリン”の大先輩といったところでしょうか。
爪楊枝で半分に割れるほどで、羊羹としては柔らかい方だと感じます。少し水ようかんのような透明度もあり、一口で食べる羊羹として非常にバランスの良い造りになっていると感じます。
やはり味わいも比較的あっさりとしており一口で食べる羊羹にピッタリの甘さです。ちょうど一口で『羊羹を食べたなぁ』となるバランスというのでしょうか。コクのある甘みですが、さらっとした口当たりで、いろんなシーンで楽しめることをコンセプトに作られた羊羹だと分かります。見た目も可愛く開けるのも楽しい『玉羊羹』はおみやげにうってつけのアイテムですね。