マルセイバターサンド
いまではメジャーすぎて、逆にどう紹介すればいいのか分からない『マルセイバターサンド』
私自身は小さい頃からこのお菓子の存在を知っていたが、実はかつて”レーズンが苦手”という理由でこのお菓子は敬遠していた。大人になるにつれ、周りの人々が『マルセイバターサンド美味しいよね』とか北海道のおみやげに買っていくと異様に喜ばれるのを見ながら、「ふーむそんなに美味しかったかなぁ」と、20代後半くらいに差し掛かって改めて食べてみると、いやはやなるほど、美味しいではないですか、これは”キングオブおみやげ”になる理由も納得のクオリティでした。
それと、このパッケージデザインは本当に秀逸だと思います。クラシカルかつ北海道の歴史をきちんと踏襲する、ある種の潔さもあり、いまでは誰が一目見ても「マルセイバターサンドだ!」と分かる、いわば北海道おみやげのアイコン的存在になっているような気がします。石屋製菓さんの『白い恋人』とともに北海道を代表するお菓子のような存在にすらなっていますね。
元来、個人的には”固形バター”と”レーズン”のどちらも苦手だったというのもあり、若い時分はこの『マルセイバターサンド』があまり得手ではなかったのです。六花亭のお菓子では『チョコマロン』と『ひとつ鍋』と『モカチョコレート』をこよなく愛してきた私ですが、大人になるにつれ、この『マルセイバターサンド』はなぜこんなに愛されるのかと真面目に考えるようになりました。
大人になってブラックコーヒーを飲むようになり、ちょっと甘いものを食べたいと思ったとき、たまたまそばにあったバターサンドをみて『仕方がない、バターサンドしかないし』と食べたところ、その美味しさにあたらめて心を打たれたのを覚えています。
フレッシュなバタークリームとレーズンの相性、ビスケットとの調和、口の中で渾然一体となるこの美味しさは、子供過ぎた自分には理解できない美味しさだったのだと改めて気が付いたのを覚えています。多くの人がこのお菓子が好きな理由を改めて思い知りました。
でも、いまでもこの『マルセイバターサンド』は”実はちょっと大人にならないとその真価が分からないお菓子”なのではと思っています。フレッシュバターとレーズン、そしてそのクリームのために作られたサンドビスケット。この調和はとても繊細で、完成された調和のように感じます。名実とも『キングオブ北海道のおみやげ』であることに納得する次第です。
※記載価格は購入当時のものです。現在の価格は異なる場合があります。
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