生志ぐれ
約200年前に生まれた大洲名物、素朴な甘さ、伝統の味
愛媛県大洲市で1875年(明治8年)に創業された冨永松栄堂さんの代表銘菓『志ぐれ』は、はいまから約200年前に藩のお屋敷内での手作り菓子として生まれ、冨永松栄堂の初代店主の八太郎氏によって伝えられ広まってきたという非常に長い歴史を持つお菓子です。以来、大洲名物として多くの人に愛され、親しまれています。
『志ぐれ』はという名前は小豆を、晩秋から初冬にかけてぱらぱらと通り雨のように降る時雨に見立ててつけられたそうです。
開封するとビニールに包まれたスティック状のお餅のような質感のものが登場。みずみずしい感じがビニール越しに伝わってきます。
小豆に米粉や餅粉を混ぜ合わせ、セイロで蒸しあげて作られる『志ぐれ』、羊羹とも外郎とも違った質感です。
断面はこんな感じで透明感があります。小倉がお餅全体に混ぜられている感じです。
さっぱりとした甘さで、もちもち食感、口当たりが非常にいいです。素朴な甘さがたまりません。長い間愛されてきたのが良く分かる定番的な美味しさ。もともとはお屋敷秘伝のお菓子ということですが、現代で言うなら、さしずめ”〇〇家、秘伝の味”といった感じのものだったのかもしれません。いずれにしても200年前からこんな美味しいお菓子が作られていたなんて驚きです。