バナナ最中(かさい製菓)
なぜ青森銘菓?昭和初期に憧れから生まれたバナナ餡
青森県弘前市の『かさい製菓』さんが作る『バナナ最中』を買ってきました。この『バナナ最中』というお菓子は青森県内でも複数のお菓子屋さんが作っており、青森県では昔から非常に親しまれているメジャーな存在なのだとか。南国のフルーツのイメージが強いバナナですが、なぜ青森で一般的なのかといういきさつも含めてご紹介します。
戦後となる昭和20年代からしばらくの間、バナナは非常に高価な食べ物として流通量も少なく、一般に広く食べられているものではありませんでした。そんななか青森のお菓子屋さんのご主人が東京で一度食べたバナナの味をお客さんにも味わってもらいたいと思いついて作ったのがこの『バナナ最中』だということです。
『バナナ最中』はバナナの形をしたモナカ皮に白餡を詰めたシンプルなお菓子です。もちろんバナナの実自体は入っていませんが、バナナの香料を使った白餡でバナナの風味、食感も再現されています。
食べてみて驚きだったのが、白餡がバナナの果肉のような食感を再現できていることです。さすがに本物のバナナのようにとはいきませんが、ホックリして甘く、バナナの風味がしっかりとついているので、想像以上にバナナ感がありました。モナカの皮が適度にモチモチ感を演出するので、より本物のバナナの感じが出てるかもしれません。
個人的にはむしろ「ひょっとしたら本物のバナナより好きかも」と思ってしまったくらい、完成度が高く、美味しい餡でした。憧れから生まれたバナナ餡ですが、いまなお愛され続けているのは、このお菓子自体の完成度が非常に高いからだろうなと納得してしまうクオリティでした。これはもう”北国で生まれた美味しいバナナ”の味わいです。