遠州の森
麦こがし(はったい粉)で作られたサクッと美味しい食感
今回は仕事の帰り道に秋葉原の日本百貨店さんで『大鳥居月花園』さんの作る『遠州の森』を買ってきました。静岡県の『大鳥居月花園』さんは「遠州の小京都」と呼ばれる遠州森町で昭和7年からにお店を構えている歴史あるお菓子屋さんです。
”遠州”とは、かつて遠江国(とおとうみ)と呼ばれていた地方で、現在でいう浜松市や磐田市~掛川市・御前崎市あたりの静岡県西部にあたる地域の昔の呼称です。「遠州の小京都」と呼ばれる森町は三方を山々に囲まれ、自然豊かながらも伝統的な蔵の立ち並ぶ町並み。かつては秋葉街道の宿場町として賑わい、古くからの文化が根付いている町だそうです。
そんな由緒ある町にちなんだお菓子『遠州の森』ですがパッケージに”麦こがしまんじゅう”と書いてあります。「麦こがし」とは大麦などを炒り、挽いて粉にしたもので、地方によって「はったい粉」とも呼ばれることも多い粉です。「はったい粉」という呼び名の方が一般的かもしれませんね。江戸時代には一般家庭でもよく食べられていたもので、現代でも和菓子の落雁(らくがん)の材料に使われたりしている伝統的な食材です。徳川家康の好物であったとも言われています。
開封してみると硬くコロンとした質感のおまんじゅうが出てきました。周りには粉砂糖が振りかけられており、麦こがしをしっかりと焼いた際に出たであろう、生地のひび割れが見受けられます。手では半分にしづらそうだったのでナイフで切ってみると、外側の硬めのまんじゅう生地の中には栗の実が入った白餡が入っています。
“麦こがし”で作られたまんじゅう生地がとてもおいしいです。サクッとした歯触りと麦の香りが香ばしく、中の上品な甘さの白餡と刻まれた栗の実の相性が抜群です。振りかけられた粉砂糖と”麦こがし”で作られた生地の味わいが特に好きでした。