松魚つぶ (かつおつぶ)
鰹節を模した飴。槌を使って割って食べる楽しさ
高知県の『山西金陵堂』さんが作る『松魚つぶ』を買ってきました。読み方は「カツオツブ」と読むのですが、魚の”カツオ”は一般的には「鰹」と書くことが多いですよね。「松魚」と書いて”カツオ”と読むのは、鰹節の切り口が松の木の年輪に似ているといった理由からだそうで、結婚式のなどの祝い事で引き出物に鰹節を送る際なんかは好んでこの「松魚」という書き方が使われるようです。
ということで、どうやら鰹節を模した飴のお菓子らしいのですが、ずっしりと重く、袋越しにガチッとした塊の感触が伝わってきます。なんとこの飴菓子、『山西金陵堂』さんが創業された1887年(明治20年)当時にはもう販売されていたものだそうで、130年余りの歴史を持っているという極めて伝統的なお菓子。
袋の裏側には『添えてある槌で割って召し上がってください』と書かれています。槌!?
開封してみると、たしかに槌が入っていました。それよりも、飴本体がすごい大きさで驚きです。しっかり鰹節の形をしており、本物の鰹節より重くて固いんじゃなかろうかというくらいの屈強さ。
そして、この屈強な飴を割るための槌はなんと金属製、すごい。きちんと”松魚つぶ”と刻印がされていて可愛らしいです。
エイヤーっと遠慮なく叩きつけてみましたが、、一回ではまったく歯が立たず、4~50回くらい叩いてようやくこのくらいまで割ることが出来ました。
全体を一口サイズに割るためにはあと300回くらい叩きつける必要がありそうだったので、堪らず家にあるトンカチを使って細かく粉砕しました。粉々に砕かれた飴を袋から取り出すと、なんだか宝石の山のようで綺麗です。そしてシナモンの香りがふんだんに漂います。
琥珀色の宝石のようです。自分で割った達成感もあるのか、なんだか余計に綺麗に見えているかもしれません。飴の周りにはシナモンがふんだんにまぶされており、シナモン味の飴といった味わい。鰹節さながらの見た目とエンターテイメント(槌で飴を割る作業)が楽しめる非常にユニークなお菓子でした。高知土産にうってつけの飴ですね。