杜のゆべし
伊達家に納められていたという300年以上続く「ゆべし」の名店
宮城県仙台市にお店を構える『九重本舗 玉澤』さんの『杜のゆべし』を買ってきました。和菓子の超老舗店である玉澤さんの歴史はなんと1675年まで遡ります。初代の玉澤伝蔵という人が仙台藩主の伊達綱村に現在の滋賀県にあたる近江の国から招かれ、仙台藩の城下町に御用御菓子司としてお店を構えたのがはじまりだそうです。
それ以来、九重本舗 玉澤さんは「ゆべし」を作り伊達家に納めていたとのことで、始まりは300年前にも遡る非常に伝統深い由緒正しいお菓子です。ちょこんと上品な和紙にくるまれ包装には『杜のゆべし』と書いてあります、”杜の都”と呼ばれる仙台のお菓子屋さんならではのネーミングです。
開封すると一口サイズのゆべしが出てきました。うっすらと半透明のぷよぷよした質感、くるみの実がたくさん入っているのが見えます。
京都をはじめとする関西地方で作られるゆべしには柚子が入っていることが多いのですが、東北のゆべしにはくるみが入っていることが多いです。これは当時の東北地方では柚子が手に入りづらかったため、代わりにくるみを使うようになったといわれています。代わりに入れたのだとしても、そのときから現在まで愛される傑作「くるみゆべし」が誕生したわけですね。
ゆべしの素朴な甘さと、適度なくるみの歯ごたえが美味しいです。300年以上も親しまれてきたお菓子のさすがのクオリティです。とても上品な美味しさがあります。