九十九島せんぺい
独自の食感がクセになる佐世保の銘菓
長崎県佐世保市の銘菓『九十九島せんぺい(くじゅうくしませんぺい)』は九十九島を含む長崎県北西部の島々をモチーフにしたお煎餅です。「九十九」とは、数えきれないほどたくさんあるといった意味合いで、北松浦半島西岸に連なる群島のことを指しています。
パッケージには中島潔氏による「洋傘を差した少女」のイラスト。非常に雰囲気のあるパッケージです。
開けてみると六角形のお煎餅に白のくっきりした文字で『九十九島』と書かれています。
砂糖菓子のような素材で作られているデコレーションの文字、きっとアイシングクッキーにデコレーションを施す要領ですね。
半分に割ってみるとパキっとした質感。点々と入っているピーナッツは九十九島の島々に見立てられているのだそうです。
透明感のある素材で独特の食感です。これは『九十九島せんぺい』が生まれたきっかけでもあるとのことですが、戦後間もない当時、お煎餅を作る原料が少なく、配給されていた粗糖などを煎餅などに作り直していたことに起因するそう。お煎餅全体から砂糖をカラメルのように焼いたカリッとした食感が感じられるのはそのためのようです。ピーナッツの香ばしさと砂糖菓子のようなお煎餅素材がユニークな独特の食感で、素朴な甘さが後を引きます。唯一無二といった感じのオリジナリティを感じるお煎餅でした。