栗阿彌 (りつあみ)
栗の実のポテンシャルをそのまま最大限に引き出しています
京都で1927年(昭和2年)から続く京都栗菓匠 若菜屋さんの作る「栗阿彌 (りつあみ)」は渋皮付の栗をそのまま栗納豆風に仕上げたお菓子。若菜屋さんは栗を使ったお菓子をメインラインナップにしているお菓子屋さんのようで、京都の栗菓子の権威といったイメージがあります。
この「栗阿彌 (りつあみ)」は渋皮付の栗をそのままお菓子に仕上げた一品で、シンプルながら実に要諦を踏まえたお菓子というか、栗そのままの美味しさを最大限引き出しているお菓子だと感じます。
このように、まさに外皮をむいた栗そのままの見た目。周りに少しだけ砂糖が付いており和菓子感を感じますが、もしそれがなかったら、ただの栗の実に見えてしまうかもしれません。
断面を見てみてもまさに栗の実そのままですが、しっとりとした質感と透明感を増した栗の実からは、マロングラッセ的な雰囲気も感じ取れます。
「蜜漬けされただけの栗の実がどうしてこんなに美味しいの?」と不思議に思ってしまうほど完成された美味しさです。数々の試行錯誤と伝統の技が生み出しているバランスなのでしょうが、それにしても素晴らしい味わい。栗の実の持つポテンシャルを最大限に引き出している和菓子だと思います。