石山弄月(いしやまろうげつ)

まるで日本の雅を詰め込んだかのようなコンセプトのどら焼き
滋賀県大津市に本店を構え、全国の有名百貨店にも数多く出店されている叶 匠壽庵さんの作る「石山弄月」は、はちみつ入りのしっとりとした生地につぶ餡を挟んだどら焼きです。
相変わらずお菓子に難しい名前を命名する叶 匠壽庵さんですが、「石山弄月」という名前は近江八景の”石山秋月”で描かれた、石山寺と月の景色にちなんでいるそうです。またパッケージには紫式部の歌「めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな」と印字されています。百人一首の57番目の歌として知られている歌です。
現代語訳では「せっかく久しぶりにめぐり逢えたのに、あなたなのかどうかも分からないほどの短い時間であっという間に帰ってしまわれました。まるで、雲隠れしてしまった夜中の月のようでしたね。」という意味になるそうです。
どら焼きなのにものすごく雅らかなコンセプトを持っていますね。見た目はオーセンティックなどら焼きですが綺麗なフォルムです。
厚めのどら焼き皮の中につぶ餡が入っています。
しっとりとした餡を柔らかい皮で包んであり、上品な口当たりのどら焼きです。どら焼きに期待する要素が、それぞれバランスよく満たされているような秀逸な一品でした。