千代くるみ
格調高く”美しい小ささ”のくるみ和菓子
富山県高岡市にある『御菓子司 こし村百味堂』さんは高岡市の海沿いの町、伏木町で昭和20年に創業されたという老舗の和菓子屋さんです。代表銘菓の『千代くるみ』はクルミを包んだ可愛いサイズの砂糖菓子で、皇室へ献上されていた銘菓としても有名なお菓子です。
和紙にくるまれた三角形の包装の大きさを500円玉と比べるとこの通り、非常に小さいお菓子ですが、その佇まいには凛とした美しさがあります。精巧な作りならではの繊細さを包装からも感じます。
開封すると出てきたのは純白の砂糖菓子。指先程の大きさですが「雫」といった表現がちょうど当てはまりそうな美しい見た目です。
半分に割り断面を見てみると、しっかりとくるみが入っています。これだけの小ささの中にしっかりとくるみを詰め込み、見た目も可憐な和菓子として成立させる技巧に職人の技を感じました。
口に入れると上質な砂糖がホロリと溶けつつ、クルミの実と混ざりながら上品な甘さと豊潤なクルミの風味が広がります。すごい完成度、これぞ和菓子の妙技といった感じの味わいで感銘を受けました。
シンプルな素材で作られているのに、なんとも”雅”な味わいがあります。こういったアプローチが伝統的な和菓子の技なのかもしれませんね。箱のデザインも伝統を感じるシックさがありかっこいいです。
ミニチュアのようなサイズ感のお菓子ですが、整然と箱に並べられていて高級感のある佇まい。これは特別な方へのおみやげにうってつけの一品のような気がします。富山県の和菓子は「月世界」もそうですが、伝統と格式を感じつつ決して色褪せない美があるなぁと感じます。