小城羊羹 (小倉)
日本遺産に構成文化財として認定された歴史ある羊羹
国内には有名な「羊羹」がたくさんありますが、この『小城羊羹』も忘れてはいけない由緒ある伝統の存在。佐賀県の銘菓として有名な羊羹ですが、その歴史は古く、もともと佐賀県の地域は南蛮貿易が行われていた時代から鎖国時代まで、少量ながら砂糖が流通していたことや、江戸時代に入り国産の砂糖が普及しはじめた時代も砂糖文化の中心地となっていたようで、天保年間の徳川将軍家への砂糖献上は4割を佐賀が占めていたとも言われています。そのため砂糖を使った製菓技術が発展し、佐賀の小城一帯は日本の中でも羊羹をはじめとした和菓子作りの歴史の始まりが非常に早かったようです。
ちなみに小城羊羹の「小城」は「おぎ」と読み、現在でも小城市近隣の多数のお菓子屋さんで作られていますが、今回はその中でも全国的な知名度を誇る『村岡総本舗さん』の一口サイズの小倉羊羹を買ってきました。桜の花が描かれたクラシカルな基調のパッケージデザインが美しいです。この微妙な色使いや質感からも伝統を感じ取れるような気がします。
ちなみに小城羊羹は砂糖のザラザラっとした質感が出てくるまで表面を乾燥させ、寝かせて食べるのも伝統的な食べ方のようですが、今回買ってきた一口版のパウチは開封してこのまま頂きます。
きめが細かく濃厚な質感が半分に切っただけで伝わってきます。透明感もありますが小豆のキメの細かさが特徴的です。
一口食べてみるとその質感がより伝わってきます。濃厚ながらあっさりとした後味で小豆の風味が豊かなキメの細かい羊羹。この絶妙なバランスに長く愛されてきた小城羊羹の実力が垣間見えます。今回食べた『小型小城羊羹(40g)』とは別に、外側の砂糖が結晶化したシャリシャリ感を楽しめるのも、この羊羹の特徴ですので、そちらを食べてみたい方は村岡総本舗さんの『特製切り羊羹』を是非チェックしてみてください。佐賀県の小城市で培われてきた羊羹の伝統の深さを物語る味わいです。