とちもち (大福城)
鶴岡市で親しまれる栃の実を練り込んだお餅
山形県鶴岡市にある『大福城』さんの作る『とちもち』を買ってきました。「とち」は木の実の「栃」のことで、古来から薬用や漢方などにも活用されてきた木の実です。サポニンやアロイン、タンニンといった成分を多く含み、非常に強い渋みがあるので、そのまま口にすることはできませんが、丹念なあく抜き作業をすることで栄養価に富んだ保存食として重宝されてきました。
パッケージにはかつての鶴岡城でしょうか、お城のイラストアイコンが描いてあります。大福城さんのお店の名前の由来もお城に由来があるのかもしれませんね。また、昭和58年から鶴岡市でお菓子屋さんを営まれているとのことですが、鶴岡市では「とちの実」といえば『とちもち』が連想されるほど、馴染み深い存在だそうです。
開封するとスタンダードな形の丸いお餅が出てきましたが、触った感触がとにかく柔らかくてちょっと驚き。
半分にしようとしたのですが、なかなかうまく分けることが出来ないほど繊細な感触です。持つ指がお餅の中に入り込んでしまいそうなくらい柔らかいので断面の撮影は断念して、早速いただくことにします。
冷やして食べるのがお勧めということで冷蔵庫から取り出してすぐに食べたのですが、すごい美味しさ!シンプルで素朴な味わいなのですが完成された美味しさがあります。栃の実の程よい香ばしさと、さっぱりした小豆餡が絶妙に合います。お餅の柔らかさもすごいんですが、栃の実を練り込んであるせいでしょうか、絶妙な歯切れの良さを感じます。これは個人的に大ヒットなお餅でした。見かけたら是非一度試してみてください。