月影(亀屋清永)
くるみと黒糖羊羹の美しい和菓子
京都の『亀屋清永(かめやきよなが)』といえば、泣く子も黙る伝統の和菓子屋さん。京都祇園で1617年から、つまり400年以上前から営まれている超々老舗のお菓子屋さんです。今回はそんな『亀屋清永』さんが作る『月影』を食べてみたいと思います。
まず、パッケージデザインが美しい。小ぶりなお菓子ではありますが、名前も『月影』だなんてちょっとカッコ良すぎるんじゃないですか、と思いながら開封。
お菓子の出で立ちが美しいです。この『月影』は黒砂糖とくるみの羊羹のようなお菓子のようです。アーチに型の羊羹にたっぷりとくるみが入っています。佇まいというか姿かたちが綺麗なお菓子だなと感じます。
とにかく、一口食べてみました。一言目に出てきた感想は「さすが!」
王道を行く感じの京菓子的な上品な甘さとくるみの味わいがベストバランスです。素材の上質さもあるのでしょうが、黒砂糖にもかかわらずベタベタした甘さは全くなく、コクがあるのに香りが良い甘さ。そしてこれでもかと入っているくるみが更に香ばしさを引き立てます。
羊羹でありながら羊羹ぽくないというのか、ベタっとした甘さは全くないです。かといって水ようかんのようなさっぱりした味わいかというと、それとも全く異なる味わいで「コクがあるのにさっぱりとした甘さがある、そこにくるみが香ばしさを畳みかけてくる」という表現になるかと思います。とにかく、考え尽くされたお菓子ですね。京都で400年の伝統、さすがです。